償い

将来を嘱望されたエリート脳外科医、日高英介。家庭を顧みず、息子を病死させたことで妻が自殺。絶望した彼は世捨て人となり、ホームレスとなった。彼が流れ着いたとある町で、社会的弱者を狙う連続殺人事件が発生。運命の糸に操られるように事件に巻き込まれていく日高は、「人の心の泣き声が聞こえる」という不思議な少年と出会う。やがて、驚愕の真実が明らかに…。殺人の謎を追う緊迫の展開の中から、人間の尊厳や生きる希望への問いかけが静かに浮かび上がる。鮮烈な映像表現、心に響くオリジナル音楽とともに、魂を揺さぶる重厚なミステリー。

矢口敦子著、2年前くらいに文庫を読んだことを思い出した。
ラストシーン、急に倒れた人を助けに皆かけつけ、「お医者さんはいませんか〜?」という声が響き渡るなか、振り向いた日高(谷原章介)の顔が本当にりりしかった。