ウォーターシップダウンのうさぎたち 1979

イギリス南部に位置する田園地帯サンドルフォード。勇敢で決断力旺盛なアナうさぎのヘイゼルは大勢の仲間たちと暮していた。ある日、予言者の力を持つ弟のファイバーが、首を縄でしめつけられるような危険を感じ、その事をヘイゼルに告げた。ファイバーの感知した“得体の知れない恐怖"がやってくることを信じたヘイゼルは、早速仲間たちを集め、この地を出ることを勧めた。安住の地を求めてあてのない旅に出た彼らを、多くの危険が襲いかかってきた。

 イギリスの童話をアニメ映画化。アートガーファンクルの主題歌「Bright Eyes」(日本盤は井上陽水)が全英で大ヒットしたこともあり、いつか見たいと思っていた。近所のTSUTAYAにはないので、インターネットでGEOでレンタル(100円)。

 ウサギのフォルムがリアル。そこがまず日本のアニメと違うな。ウサギたちのたたかい、当然、死も隣り合わせで、犬やウサギ同士のたたかいもお互い噛み合い、引っかき合い、仲間も死んでいく・・・。
 イギリス人にとって、ウサギってものすごく身近な動物なのだろうな。映画の大ヒットも、ウサギが仲間同士、知恵を振り絞って生きていくその姿に、大人も子供も胸を打ったのだろうと思う。ウサギが知恵と素早く走る後ろ足を得ることができたのも、ウサギ族の創造主といわれる「フリス」様の御心があってのこと。その神に与えられたものをしっかり活用して賢く生きていくんだ、ということが作品のメッセージなんだろうと思う。宗教観も作品のなかには据えられていた。

 アートガーファンクルのBright Eyesは主題歌と言われていたが流れるのは途中。“夢や幻しなのだろうか”とウサギたちが空想する幻想的なシーンで流れる。この歌はアートの澄んだ歌声でなかなかいいのだが、歌詞は、死をイメージするような言葉も沢山でてきて、生と死がつねに隣り合わせ・・・というようなもの。これも映画を見るとそのメッセージが伝わってくる歌だった。