0(ゼロ)からの風 2007

一人息子を悪質な交通事故で失った母親が、より刑罰の重い「危険運転致死傷罪」の新設に向けて奔走する実話を基にした人間ドラマ。モデルとなった鈴木共子さんの早稲田大学入学を伝えるニュースを見た塩屋俊監督が映画化を決意し、企画に賛同した個人や法人からの協賛金により製作された。
失意の底から刑法改正に向けて立ち上がり、息子の分も生きるため、大学入学を果たした主人公を田中好子が熱演する。<キャスト>
田中好子杉浦太陽豊原功補袴田吉彦田口トモロヲ

実話を元にしているので、ストーリーは想像通り。
ただ・・・遺族の立場から、どストレートの展開。被害者の心理や被害者の家族についても描いて欲しかった気がするが、田口トモロヲ演じるTVマン上杉があくまでも「中立的?立場」を貫いていたか。
 スーちゃんが今はもういないことを考えると、明るい母親を演じる姿と、子どもに先立たれた母親の鬼気迫る演技が泣かせる。
「生命(いのち)のメッセージ展」は今もやっている。
タイトルは、杉浦太陽演じる息子が「零(れい)」という名前であることと、すべてを失ってからまた生きていこうとする姿とかけているのだろうか。